– はじまりのとき
– ありがとうをしたい
– 好きの真ん中で
– P.O.W
– 変わるもの、変わらないもの
– 会社は人が作るもの
はじまりのとき
「loop & loop」は、奈良の小さなお店「風の栖(かぜのすみか)」からはじまりました。
僕の妻の母・村上がひとりで切り盛りしていた「風の栖」には、
手仕事のものを中心とした洋服や雑貨、そしてNAOT(ナオト)の靴がありました。
僕たち夫婦がその店の仕事を手伝うようになったのは、
約4年間の世界を巡る旅を終え、しばらく経ってからです。
すっかり燃え尽きてしまっていた僕は、帰国後、半年以上無職でした。
ふらふらとして、水タバコを吸う毎日に虚しさを感じていた頃、
「風の栖を手伝って」と声をかけてもらったのです。
僕に与えられたはじめての仕事は、紙袋に“風の栖”のハンコを押すこと。
一枚一枚、斜めにならないように、まっすぐに押すんです。
久しぶりの仕事はとても新鮮で、自分が誰かの役にたっているんだ、という喜びが湧きました。
仕事ってこんなに楽しいんだ。それが僕の仕事の原点です。
ありがとうをしたい
僕たちは、イスラエルで作られた靴「NAOT」の輸入代理店でもあります。
もともとはそうではなくて、NAOTのいち取り扱い店として、目の前のお客さまに届けていました。
そんなNAOTの靴が、あるとき注文できなくなってしまいました。
当時の日本の総代理店が靴の輸入をやめてしまったのです。
これには、お客さまも、自分たちも困ってしまいました。
そして悩み抜いた結果、選んだ道が、僕たちが輸入代理店になることでした。
この靴を必要としている人に渡したい、と心を決めたのです。
意を決して始めたことでしたが、日本の総代理店になった途端、
「たくさん売らねば」という責任がどっと降りかかりました。
商業というものに潰されそうになって、自分がしたいことを見失いそうになる日々。
そんなとき、あるお客さまとの出会いがありました。
その方は少し足が不自由な男性で、僕がすすめたNAOTの靴を買ってくださいました。
それから数日後、「駅からここまで歩いて来れたんや」と、
お店にわざわざ感謝の手紙を持ってきてくださったのです。「ありがとう」を伝えるためだけに。
こんなに勇気をもらえたことはなくて、
僕たちも誰かに「ありがとう」をしたい、そう思うようになりました。
好きの真ん中で
家族3人ではじまった「loop & loop」にも、
徐々に働く人が仲間入りしてくれるようになり、会社の新しい形がみえてきました。
NAOTのお店を東京や奈良、愛知でオープンさせたり。
洋服ブランド「entwa」をはじめたり、オリジナルの靴下や鞄をつくったり。
出版社「ループ舎」を立ち上げて、本を出版をしたり。
はたまた、新しくブランド「POSIPOSY」や
「fuai」を立ち上げたり。
その活動は、まるで一本の木から、ぐんぐんと枝がのびて、葉をつけていくようなもの。根っこは一緒です。
働くスタッフの「好き」「やりたい」に貪欲であることが、僕たちの原動力だと思っています。
P.O.W
会社って社訓がいるのかな?
何かあったらいいなと考えていたら、
そのとき着ていたトレーナーの「POW(ポウ)」に目がとまりました。
あ、この3文字で社訓ができないかなと思ってつくったのが、我が社の社訓です。
P:Passion 情熱
O:Originality オリジナリティー
そして
W:Wow! ワオ!
その場で飛び出た言葉たち。でも、あながち間違ってはいなくて、気に入っている社訓です。
たまに忘れるくらいの社訓、ですけどね。
変わるもの、変わらないもの
新しいチャレンジを続けています。
いつも、発見を大事にしています。
発見による変化をおそれずにいたいと思っています。
それは、旅と同じ。次の街にいったらどんな景色がみえるだろう。
その感じがずっと続いているのです。
そして、変わらないこと。
お客さまに喜んでもらうことはずっと変わらない。
お客さまに喜んでもらうために、変わることもたくさんある。
変わると、変わらない。どっちも譲れないことです。
会社は人が作るもの
働くスタッフたちに感謝をしたい。
この会社で少しの間だけ働いてくれた人にも感謝をしたい。
会社は、みんなのものです。
かつて僕が味わったように、「働くことが楽しい」と思ってもらえたら。
働くことは生きることにも繋がっている。
そう思っています。
たくさん食べて、たくさん笑って。
働く人たちが豊かに生きることが理想。
それができる会社でありたい。
そして、メンバーが増えると可能性が増える。
これから先、楽しみしかない、って思っています。